NBAの仕組みとは?新規導入のインシーズン・トーナメントについても解説!

更新日: 2024年2月24日
Eyecatch
Author
バスケヤリタイ 太田
編集長

NBAの仕組みがわかるように、チーム数やシーズン構成などについてまとめました。ドラフトやトレードによる選手の獲得方法についても触れていますので、ぜひチェックしてみてください。

チーム数

NBAは合計30のチームで構成される北米のプロバスケットボールリーグです。「ウェスタン・カンファレンス」「イースタン・カンファレンス」と東西の地区に分かれ、15チームが所属しています。東西の地区に分かれたあと、さらに細かな地区ごとに「ディビジョン」と呼ばれる3つのグループに分けられることが特徴です。まずはそれぞれの所属チームについてご紹介します。

なお、ご紹介する情報は2024年2月時点のものです。

ウェスタン・カンファレンス

「ウェスタン・カンファレンス」は西地区を意味します。ウェスタン・カンファレンス内の細かなグループの名称はそれぞれ「ノースウェスト・ディビジョン」「サウスウェスト・ディビジョン」「パシフィック・ディビジョン」です。

ノースウエスト・ディビジョン

引用元:NBA Rakuten

ノースウエスト・ディビジョンには以下のチームが所属しています。

チーム名
(英名)

順位
(ウェスタン・カンファレンス)

2023-24シーズン戦績
(2024年2月21日時点)

ミネソタ・ティンバーウルブズ
(MINNESOTA TIMBERWOLVES)

1位

39勝-16敗

オクラホマシティ・サンダー
(OKLAHOMA CITY THUNDER)

2位

37勝-17敗

デンバー・ナゲッツ
(DENVER NUGGETS)

4位

36勝-19敗

ユタ・ジャズ
(UTAH JAZZ)

11位

26勝-30敗

ポートランド・トレイルブレイザーズ
(PORTLAND TRAIL BLAZERS)

14位

15勝-39敗

サウスウエスト・ディビジョン

引用元:NBA Rakuten

サウスウエスト・ディビジョンには以下のチームが所属しています。

チーム名
(英名)

順位
(ウェスタン・カンファレンス)

2023-24シーズン戦績
(2024年2月21日時点)

ニューオーリンズ・ペリカンズ
(NEW ORLEANS PELICANS)

6位

33勝-22敗

ダラス・マーベリックス
(DALLAS MAVERICKS)

7位

32勝-23敗

ヒューストン・ロケッツ
(HOUSTON ROCKETS)

12位

24勝-30敗

メンフィス・グリズリーズ
(MEMPHIS GRIZZLIES)

13位

20勝-36敗

サンアントニオ・スパーズ
(SAN ANTONIO SPURS)

15位

11勝-44敗

パシフィック・ディビジョン

引用元:NBA Rakuten

パシフィック・ディビジョンには以下のチームが所属しています。

チーム名
(英名)

順位
(ウェスタン・カンファレンス)

2023-24シーズン戦績
(2024年2月21日時点)

ロサンゼルス・クリッパーズ
(LA CLIPPERS)

3位

36勝-17敗

フェニックス・サンズ
(PHOENIX SUNS)

5位

33勝-22敗

サクラメント・キングス
(SACRAMENTO KINGS)

8位

31勝-23敗

ロサンゼルス・レイカーズ
(LOS ANGELES LAKERS)

9位

30勝-26敗

ゴールデンステイト・ウォリアーズ
(GOLDEN STATE WARRIORS)

10位

27勝-26敗

イースタン・カンファレンス

「イースタン・カンファレンス」は東地区の呼称です。「アトランティック・ディビジョン」「セントラル・ディビジョン」「サウスイースト・ディビジョン」に分かれます。

アトランティック・ディビジョン

引用元:NBA Rakuten

アトランティック・ディビジョンには以下のチームが所属しています。

チーム名
(英名)

順位
(イースタン・カンファレンス)

2023-24シーズン戦績
(2024年2月21日時点)

ボストン・セルティックス
(BOSTON CELTICS)

1位

43勝-12敗

ニューヨーク・ニックス
(NEW YORK KNICKS)

4位

33勝-22敗

フィラデルフィア・76ers
(PHILADELPHIA 76ERS)

5位

32勝-22敗

ブルックリン・ネッツ
(BLOOKLYN NETS)

11位

21勝-33敗

トロント・ラプターズ
(TORONTO RAPTORS)

12位

19勝-36敗

セントラル・ディビジョン

引用元:NBA Rakuten

セントラル・ディビジョンには以下のチームが所属しています。

チーム名
(英名)

順位
(イースタン・カンファレンス)

2023-24シーズン戦績
(2024年2月21日時点)

クリーブランド・キャバリアーズ
(CLEVELAND CAVALIERS)

2位

36勝-17敗

ミルウォーキー・バックス
(MILWAUKEE BUCKS)

3位

35勝-21敗

インディアナ・ペイサーズ
(INDIANA PACERS)

6位

31勝-25敗

シカゴ・ブルズ
(CHICAGO BULLS)

9位

26勝-29敗

デトロイト・ピストンズ
(DETROIT PISTONS)

15位

8勝-46敗

サウスイースト・ディビジョン

引用元:NBA Rakuten

サウスイースト・ディビジョンには以下のチームが所属しています。

チーム名
(英名)

順位
(イースタン・カンファレンス)

2023-24シーズン戦績
(2024年2月21日時点)

マイアミ・ヒート
(MIAMI HEAT)

7位

30勝-25敗

オーランド・マジック
(ORLAND MAGIC)

8位

30勝-25敗

アトランタ・ホークス
(ATLANTA HAWKS)

10位

24勝-31敗

シャーロット・ホーネッツ
(CHARLOTTE HORNETS)

13位

13勝-41敗

ワシントン・ウィザーズ
(WASHINGTON WIZARDS)

14位

9勝-45敗

シーズン構成

NBAのシーズンは、レギュラーシーズン・プレイイン・プレイオフ・NBAファイナルの順で構成されています。

レギュラーシーズン

引用元:The Sporting News

レギュラーシーズンの期間は、例年10月中旬から4月上旬までの約半年です。各チーム82試合をこの期間で行います。各カンファレンス内のみならず、全チームと試合が組まれるようにスケジュールされています。

レギュラーシーズンはプレイオフ進出を賭けた戦いです。プレイオフには各カンファレンス8チームずつの合計16チームがプレイオフに進める仕組みになっています。

レギュラーシーズンの成績でプレイオフ自動進出が決まるのは、各ディビジョンの勝率1位チームと、そのチームを除いたカンファレンス内の勝率上位3チームずつです。この時点で、各カンファレンス6チームが決定されます。各カンファレンス残りの2枠をかけて行われるのが、後述するプレイインです。後ほど詳しく解説します。

NBAカップ(インシーズン・トーナメント)

引用元:The Sporting News

2023-24シーズンからは史上初となる「NBAカップ(インシーズン・トーナメント)」もスタートしました。「NBAカップ(インシーズン・トーナメント)」はレギュラーシーズン中に行われるトーナメント形式の試合です。グループステージと、そこで勝ち上がった8チームで行われるノックアウトステージ(決勝トーナメント)で構成されています。

NBAカップ(インシーズン・トーナメント)中に行われる決勝戦以外の試合はレギュラーシーズンの試合としてカウントされ、成績にも反映されることが特徴です。決勝戦は試合数にカウントされず成績にも反映されないため、決勝進出の2チームのみレギュラーシーズン中に83試合をこなすことになります。

最優秀選手賞やオールトーナメントチームの選出のほか、決勝トーナメントで1勝以上したチームの選手には賞金が用意されるなど、称号やインセンティブの設計もしっかりされています。もともとの名称はインシーズン・トーナメントのみでしたが、2024年2月8日にNBAがエミレーツ航空とパートナーシップを締結したことをきっかけに大会の名称が「NBAカップ」に変更されたようです。

プレイイン

引用元:The Sporting News

プレイインは、各カンファレンスでレギュラーシーズン7~10位の成績を残した計8チームが、残りの4つのプレイオフ進出枠を賭けて行うトーナメントです。プレイインはレギュラーシーズン終了後に行われ、トーナメントはカンファレンスごとに組まれます。プレイオフ進出条件は以下のとおりです。

① 「7位」対「8位」での勝利チーム
② 「①の敗者」対「9位対10位の勝者」での勝利チーム

7~8位のチームは最小1勝でプレイオフに進出が決まりますが、9~10位のチームがプレイオフに進出するためには必ず2勝しなければなりません。

コロナの影響でレギュラーシーズンの日程を短縮せざるを得なかった2019-20シーズンから導入された仕組みです。初めて行ったプレイインが非常に盛り上がったことをうけ、2022-23シーズンから正式導入されています。

プレイオフ

引用元:The Sporting News

プレイオフは、レギュラーシーズンおよびプレイインで選出された各カンファレンス8チームの計16チームが、カンファレンスチャンピオンを賭けて争うトーナメントです。プレイオフはひとつの組み合わせにつき最大7試合行われます。7試合のうち先に4勝したチームが勝ちあがる仕組みです。

カンファレンスチャンピオンに輝いた2チームがNBAの王者を決めるNBAファイナルに進むことになります。

NBAファイナル

引用元:The Sporting News

NBAファイナルは、プレイオフで優勝をした各カンファレンスのチャンピオン同士が戦うNBAの頂上決戦です。NBAファイナルもプレイオフと同様、最大7試合の4勝先取で勝敗が決まり、勝ったチームがNBAの年間王者になります。

NBAファイナルを争う2チームのうち、レギュラーシーズンの勝率上位チームが1試合多くホームコートアドバンテージを保持できる方式になっていることが特徴です。この方式は「2-2-1-1-1」方式と呼ばれ、以下のとおりの流れになっています。

第1~2戦

勝率上位チームのホーム

第3~4戦

勝率下位チームのホーム

第5戦

勝率上位チームのホーム

第6戦

勝率下位チームのホーム

第7戦

勝率上位チームのホーム

オールスター

引用元:The Sporting News

NBAオールスターは例年レギュラーシーズン中の2月頃に行われる、年に一度の祭典です。各カンファレンス12選手ずつの計24選手がオールスターに出場できます。出場選手の選出方法はファンによる投票です。各チームのスタープレイヤーが同じチームで戦う、夢のようなゲームになっています。

オールスターゲームのスターター5人は、ファン・現役NBA選手・メディアによる投票で選ばれることが特徴です。ファン投票が50%分、選手・メディアが25%ずつの配分で選出されます。

2024年のオールスターゲームは2月18日に行われました。ロサンゼルス・レイカーズ所属のレブロン・ジェームズ選手が史上最多の20度目の出場を果たし、新記録を樹立しています。

オールスターゲーム以外にも、スキルズチャレンジ・3ポイントコンテスト・スラムダンクコンテストなど、さまざまなイベントが行われる非常に人気のコンテンツです。

2022-23レギュラーシーズンランキング

引用元:The Sporting News

昨年2022-23レギュラーシーズンの各カンファレンスTOP5チームを載せておきます。ちなみに同年のNBAファイナルはデンバー・ナゲッツ(ウェスタン/レギュラーシーズン1位)対マイアミ・ヒート(イースタン/レギュラーシーズン8位)で行われ、デンバーナゲッツが4勝1敗でNBAチャンピオンに輝きました。

ウェスタン・カンファレンス

イースタン・カンファレンス

1位

デンバー・ナゲッツ

53勝-29敗

1位

ミルウォーキー・バックス

58勝-24敗

2位

メンフィス・グリズリーズ

51勝-31敗

2位

ボストン・セルティックス

57勝-25敗

3位

サクラメント・キングス

48勝-34敗

3位

フィラデルフィア・79ers

54勝-28敗

4位

フェニックス・サンズ

45勝-37敗

4位

クリーブランド・キャバリアーズ

51勝-31敗

5位

ロサンゼルス・クリッパーズ

44勝-38敗

5位

ニューヨーク・ニックス

47勝-35敗

選手の獲得方法

チームの成長には選手の獲得戦略が不可欠です。ここではNBAに所属するチームが選手を獲得する方法としてドラフトとトレードについて解説します。

ドラフト

引用元:The Sporting News

ドラフトは毎年レギュラーシーズン終了後の6月に開催されます。ドラフト指名を獲得するためにはドラフト資格を得なければなりません。

ドラフト資格

以下に該当する選手には自動的にドラフト資格が与えられます。

アメリカ国籍保持者

アメリカ国籍以外

19歳以上かつ高校卒業後1年経過

次のいずれかを満たす選手
1. 大学4年次の資格あり
2. アメリカの高校卒業後、大学進学せずに4年経過
3. NBA以外のプロチーム所属歴あり

1. 22歳以上
2. NBA以外のプロチーム所属歴あり

この対象者以外にもドラフト60日前にドラフト希望の宣言を出すことで、ドラフト資格を得られる方法もあります。その方法が「アーリーエントリー」です。「アーリーエントリー」を行うことで、プレドラフトキャンプや各チームのワークアウトへの参加が可能になります。

ドラフトコンバイン

6月のドラフトに向けて、5月にドラフト候補選手を招待して行われるのがドラフトコンバインです。トライアウトという表現の方が耳馴染みが良いかもしれません。

各チームのGM・コーチ・スカウトのもと、さまざまなドリルが実施されます。ドラフト獲得を目指す選手にとって、アピールができる絶好の場です。

ドラフト抽選

ドラフト指名権は抽選により争われます。前シーズンに成績の悪かったチームほど、指名権を得られる確率があがることが特徴です。1巡目3位までは、プレイオフに出場できなかった14チームが抽選を行う方法ですが、その際も前シーズンの勝率が低いチームほど当選確率が上がる仕組みになっています。

また、このドラフト指名権はトレードの材料に使用される場合もあります。

移籍

引用元:The Sporting News

トレードは、選手同士以外にも前述したとおりドラフト指名権や金銭も材料になります。さまざまな材料を組み合わせて、戦力増強に繋がるトレードが毎年活発に行われている点も見所です。

また、トレードは常時行えるものではありません。トレードデッドラインというトレード不可期間が設定されているだけではなく、選手自体にもトレード解禁日の決まりがあります。

トレードデッドライン

選手のトレード解禁日

シーズン中の2月上旬
(2月上旬からシーズン終了まではトレード不可)

・新規契約,ミニマム契約,2way契約から本契約へ移行した選手:12月15日あるいは契約から3か月後のどちらか遅い方

・契約を結んだドラフト指名選手,2wayプレイヤー:1月15日あるいは契約から3か月後のどちらか遅い方

ただ、このトレードデッドライン後も選手の移動が認められているケースもあります。それが「バイアウト」と「ウェイブ」です。「バイアウト」はプレイヤーとチームの双方が合意のうえ行われる放出を指し、「ウェイブ」はチーム側からの一方的な解雇を指します。いずれの場合も、放出選手として他チームがその選手を獲得する権利を得ます。デッドライン後も活発に動く傾向があるので、放出選手の情報も要チェックです。

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